麹のこと
◆麹とは
あまり知られていませんが、麹とは蒸した穀物(米、麦、大豆など)に、
麹菌を繁殖させた加工品のことをいいます。
そして、この麹を作る作業のことを製麹(せいきく)といいます。
麹には以下のように、色々な種類があります。
米麹:米を蒸し麹菌を繁殖させたもの。一番、身近な麹です。
豆麹:大豆を蒸し麹菌を繁殖させたもの。豆味噌の原料となります。
麦麹:押麦、丸麦を蒸し麴菌を繫殖させたもの。麦味噌の原料となります。
醤油麹:蒸した大豆と焙煎した麦に麹菌を繁殖させたもの。大豆を原料とする醤油製造に使用されます。
◆歴史
私たちの食事に欠かすことができない「麹」は、驚くほど昔から、
先人たちが創意工夫をしながら今日まで残してくれた大切な物です。
古くは紀元前から各時代の情勢に応じた形で進化し続けた麹。
現代では2006年に日本醸造学会が麹菌を「国菌」に認定。
「先達が古来大切に育み、使ってきた貴重な財産」としています。
昔の人が、有用なコウジカビを見つけ出してくれたこと、
それを味噌や醤油、酒などに活用してくれたことに心から感謝です。
◆期待できる効果
麴に含まれる酵素によって、たくさんの発酵食品が生まれます。
含まれる酵素は約100種類とも言われるほどですが、
その中から代表的な酵素3つをご紹介します。
プロテアーゼ(タンパク質分解酵素):タンパク質を分解しアミノ酸に変化させる。
アミラーゼ(デンプン分解酵素):デンプンを分解し甘味であるブドウ糖に変化させる。
リパーゼ(脂肪分解酵素):脂肪を分解し脂肪酸とグリセリンに分解してくれる。
これらの酵素は熱に弱く、約60℃を超えたあたりから失活しはじめます。
ただし、それまでの効果により、
1,酵素が作り出した成分により旨味や甘味が増し、美味しさが増す。
2,麹菌の働きでアミノ酸やビタミン類など栄養価が増す。
3,酵素の働きでタンパク質やデンプンが分解され吸収率が増す。
また、酵素だけでなくビタミンB群も豊富にふくまれる為、
3大栄養素の代謝促進にもつながります。
【参考】
ビタミンB1・・・糖
ビタミンB6・・・タンパク質
ビタミンB2・・・脂質